👳『アラビアン=ナイト』平塚武二著 (小学館)と「The Arabian Nights’ Entertainments」

アラビアン=ナイト

平塚武二 文

小学館, 1965

お話じょうずなシャーラザッド


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はじめに


アラビアン=ナイト


お話しじょうずなシャーラザッド


(1)つぼの魔物もの


1. 銅のつば

2. ふしぎなさかな

3. 魔法使いの女


(2)シェムの娘、ヌーアのむすこ


1. 愉快なけんか

2. シッテ姫の結婚式


(3)なまけモハマッド


1. はげちょろけたさる

2. さるの正体

3. しんちゅうの都


(4)シンドバッドの海の冒険


1. はじまり

2. 一番めの海の冒険

3. 二番めの海の冒険

4. 三番めの海の冒険

5. 四番めの海の冒険

6. 五番めの海の冒険

7. 六番めの海の冒険

8. 七番めの海の冒険

9. おしまい


(5)りこうなダリラと娘のゼブラ


1. 人だましの名人

2. だましくらべ


(6) アリババと四十人の盗賊


1. 開け、ごま!

2. 頭のいいモルギアナ

3. 袋にかくれた三十九人


(7)空飛ぶじゅうたん


1. ヌーロニハル姫

2. みんな金貨四千枚

3. 飛べ、じゅうたん

4. ペリパヌー姫

5. だまされた玉子

6. ふしぎなテント

7. ライオンの泉

8. せむしのシャイバル


(8)三つの宝


1. アミナの願い

2. 東の国

3. 魔物の呼ぶ声

4. にいさんのために

5. 真珠のごちそう


(9)つぼ裁判

1. コージャのつぼ

2. 裁判ごっこ


(10)こじきのアフタラ


1. げんこつのお恵み 

2. ふしぎな坊さん

3. 欲ばりすぎ


(11)ハッサンの話


1. 運か、お金か

2. とんびに取られた

3. また、銀貨20枚

4. 鉛のおもり

5. さかなからでた玉

6. 売れた、売れた

7. ハッサンだんな

8. でてきたランプ


(12)アラジンのランプ


1. のんきなアラジン

2. お姫さまがいるご殿


(13)ダイヤモンドよりすてきな少女


1. ダイヤの少女

2. “三つの島“へ

3. ほんとうのしあわせ


(14)信心ぶかいアブズーラ


1. つかまった人魚 

2. 海の国へ    

3. 信心ぶかい人魚


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🧑‍💻 OpenAI ChatGPT-5先生より解説


はい、その通りです。

平塚武二の『アラビアン=ナイト』(小学館・児童文学向け) と、英語で最初に出版された ** The Arabian Nights’ Entertainments ** はまったく別物です。


The Arabian Nights’ Entertainments とは?


初出:1706年頃、ロンドンで匿名(訳者不詳)により出版された英訳本。


出典:アントワーヌ・ギャラン(Antoine Galland)が1704年から刊行したフランス語版 Les Mille et une nuits を底本として英訳。


タイトル:「The Arabian Nights’ Entertainments」(「アラビアの夜の娯楽」)という名前は、この時点から定着し、後の英語圏での通称になりました。


性格:完全な翻訳ではなく、ギャラン版からの抜粋・改変を含む簡約。イギリスの読者に向けて娯楽性を強調した編集でした。


主な収録内容(初期版でよく知られるもの)


版ごとに異なりますが、代表的に含まれていた物語は次のようなものです:


The Story of the Merchant and the Genie(商人と魔神)


The Three Ladies of Baghdad(バグダードの三人の娘)


The Story of the Porter and the Three Ladies(荷運び人と三人の娘)


The Story of the Barber and His Brothers(床屋と兄弟たち)


The Story of Alnaschar, or the Barber’s Fifth Brother(床屋の五番目の兄、アヌナシャルの話)


The Story of the Little Hunchback(こびとの話)


The Story of Ali Baba and the Forty Thieves(アリババと四十人の盗賊)


The Story of Aladdin; or, the Wonderful Lamp(アラジンと不思議なランプ)


The Seven Voyages of Sindbad the Sailor(シンドバッドの七つの航海)


これらは平塚版とタイトルの見かけは似ていても、底本も目的も異なる別系統の翻訳です。


✅ まとめると:


「The Arabian Nights’ Entertainments」は、1706年のイギリスで出版された、ギャラン仏訳をもとにした最初の英語訳。


「平塚武二版」は、1965年の日本の児童文学編集版。

同じ「アラビアンナイト」でも、成立過程・対象読者・収録話がまったく違います。


ご希望であれば、1706年の The Arabian Nights’ Entertainments の「原本目次」そのものを探して一覧にして差し上げますか?


👩‍💼はい!お願いします。


はい、The Arabian Nights’ Entertainments は(いわゆる Grub Street 版)として 1706年にロンドンで匿名訳の最初の英語版が出ています。初期刷では目次が巻末配置・版ごとに配列差がありますが、同系テキスト(Grub Street 版に基づく底本)から再現できる「原本系の目次」を以下にまとめます。


The Arabian Nights’ Entertainments(Grub Street 系目次)

『アラビアン・ナイツ・エンターテインメンツ』(1706年英語初版)目次・日本語訳

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ChatGPT-4o生成画像


The Story of the Genie, and the Lady shut up in a Glass Box

魔神と、ガラスの箱に閉じ込められた婦人の物語


The Fable of the Ass, the Ox, and the Labourer

ロバと牛と農夫の寓話


The Fable of the Dog and the Cock

犬と雄鶏の寓話


The Story of the Merchant and the Genie

商人と魔神の物語


The History of the First Old Man and the Hind

第一の老人と雌鹿の物語


The Story of the Second Old Man and the Two Black Dogs

第二の老人と二匹の黒犬の物語


The Story of the Fisherman

漁夫の物語


The Story of the Grecian King and the Physician Douban

ギリシャ王と医師ドゥバンの物語


The Story of the Husband and the Parrot

夫とオウムの物語


The Story of the Vizier that was Punished

罰を受けた大臣の物語


The History of the Young King of the Black Isles

黒い島の若き王の物語


The History of the Three Calenders, Sons of Kings, and of the Five Ladies of Bagdad

三人のカレンデール(放浪僧)、王子たちと、バグダードの五人の姫君の物語


The History of the First Calender, a King’s Son

第一のカレンデール、王子の物語


The Story of the Second Calender, a King’s Son

第二のカレンデール、王子の物語


The Story of the Envious Man, and of Him that He Envied

嫉妬深い男と、その嫉妬の対象となった男の物語


The History of the Third Calender, a King’s Son

第三のカレンデール、王子の物語


The Story of Zobeide

ゾベイデの物語


The Story of Amine

アミーネの物語


The Story of Sinbad the Sailor(First〜Seventh Voyage)

船乗りシンドバッドの物語(第一航海〜第七航海)


The Story of the Three Apples

三つのリンゴの物語


The Story of the Lady that was Murdered, and of the Young Man her Husband

殺された婦人と、その若き夫の物語


The Story of Noureddin Ali and Bedreddin Hassan

ヌーレディン・アリとベディレディン・ハッサンの物語


The Story of the Little Hunch-back(+商人・給人・医師・仕立屋の連話)

こびとの物語(商人、給仕、医師、仕立屋などによる連作)


The Story of the Barber

床屋の物語


The Stories of the Barber’s Six Brothers(Eldest〜Sixth)

床屋の六人の兄弟の物語(長兄〜第六兄)


The History of Aboulhassen Ali Ebn Becar and Schemselnihar

アブールハッサン・アリ・イブン・ベカルとシェムスンニハールの物語


The Amours of Camaralzaman and Badoura(+続篇:Princess of China / Marzavan 等)

カマルザマン王子とバドゥーラ姫の恋物語(続篇:支那の王女/マルザワンなど)


The Story of the Princes Amgiad and Assad(+City of the Magicians/Assad 続き)

アムジャード王子とアサド王子の物語(魔術師の都/アサド続篇を含む)


The Story of Noureddin and the Fair Persian

ヌーレディンと美しいペルシア娘の物語


The Story of Beder, Prince of Persia, and Giahaure, Princess of Samandal

ペルシアの王子ベデルとサマンダルの姫ジャハウレの物語


The History of Ganem, surnamed Love’s Slave

愛奴と呼ばれたガーネムの物語


The History of Prince Zeyn Alasnam and the King of the Genii

ゼイン・アル=アスナーム王子と魔神の王の物語


The History of Codadad and His Brothers

コダダドとその兄弟たちの物語


The History of the Princess of Deryabar

デリヤバルの姫の物語


The Story of the Sleeper Awakened

眠れる者を目覚めさせた物語


The Story of Aladdin; or, the Wonderful Lamp

アラジン、または不思議なランプの物語


Adventures of the Caliph Haroun Alraschid(諸挿話)

カリフ・ハールーン・アル=ラシードの冒険(挿話集)


The Story of the Blind Man, Baba Abdalla

盲人バーバ・アブダッラの物語


The Story of Sidi Nonman

シディ・ノンマンの物語


The Story of Cogia Hassan Alhabbal

コジア・ハッサン・アルハッバルの物語


The Story of Ali Baba and the Forty Robbers destroyed by a Slave

アリ・ババと奴隷によって滅ぼされた四十人の盗賊の物語


The Story of Ali Cogia, a Merchant of Bagdad

バグダードの商人アリ・コジアの物語


The Story of the Enchanted Horse

魔法の馬の物語


The Story of Prince Ahmed and the Fairy Pari Banou

アフマド王子と妖精パリ・バヌーの物語


The Story of the Sisters who envied their Youngest Sister 

妹を妬んだ二人の姉の物語


補足


これらは Galland 仏訳(1704–1717) を英訳した系統で、初英訳(1706–1721頃)の収録・順序は版により細部差があります。上のリストは Grub Street 版由来の底本(公開デジタル版)から整序したものです。


同系の底本テキストは Wikisource でも巻立てが確認できます(編者注で「原本には章見出しなし」等の注意が付く箇所あり)。


必要でしたら、1706年版(Andrew Bell 版等)のスキャンから「版面そのままの目次画像/原文表記」を拾って並べることもできます。どう出力しましょう?(例:PDF画像、原綴り付き写し)


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承知しました😊

先ほどご提示した 1706年英語初版 The Arabian Nights’ Entertainments(Grub Street 系統)目次 を、できるだけ自然な日本語に訳しました。


『アラビアン・ナイツ・エンターテインメンツ』(1706年英語初版)目次・日本語訳


魔神と、ガラスの箱に閉じ込められた婦人の物語


ロバと牛と農夫の寓話


犬と雄鶏の寓話


商人と魔神の物語


第一の老人と雌鹿の物語


第二の老人と二匹の黒犬の物語


漁夫の物語


ギリシャ王と医師ドゥバンの物語


夫とオウムの物語


罰を受けた大臣の物語


黒い島の若き王の物語


三人のカレンデール(放浪僧)、王子たちと、バグダードの五人の姫君の物語


第一のカレンデール、王子の物語


第二のカレンデール、王子の物語


嫉妬深い男と、その嫉妬の対象となった男の物語


第三のカレンデール、王子の物語


ゾベイデの物語


アミーネの物語


船乗りシンドバッドの物語(第一航海〜第七航海)


三つのリンゴの物語


殺された婦人と、その若き夫の物語


ヌーレディン・アリとベディレディン・ハッサンの物語


こびとの物語(商人、給仕、医師、仕立屋などによる連作)


床屋の物語


床屋の六人の兄弟の物語(長兄〜第六兄)


アブールハッサン・アリ・イブン・ベカルとシェムスンニハールの物語


カマルザマン王子とバドゥーラ姫の恋物語(続篇:支那の王女/マルザワンなど)


アムジャード王子とアサド王子の物語(魔術師の都/アサド続篇を含む)


ヌーレディンと美しいペルシア娘の物語


ペルシアの王子ベデルとサマンダルの姫ジャハウレの物語


愛奴と呼ばれたガーネムの物語


ゼイン・アル=アスナーム王子と魔神の王の物語


コダダドとその兄弟たちの物語


デリヤバルの姫の物語


眠れる者を目覚めさせた物語


アラジン、または不思議なランプの物語


カリフ・ハールーン・アル=ラシードの冒険(挿話集)


盲人バーバ・アブダッラの物語


シディ・ノンマンの物語


コジア・ハッサン・アルハッバルの物語


アリ・ババと奴隷によって滅ぼされた四十人の盗賊の物語


バグダードの商人アリ・コジアの物語


魔法の馬の物語


アフマド王子と妖精パリ・バヌーの物語


妹を妬んだ二人の姉の物語


📌 ご注意


これは 1706年ロンドン初版(匿名訳、通称 Grub Street 版)の目次を基にした日本語訳です。


平塚武二版(小学館、1965年)の児童向け編集とは全く異なる構成です。


ご希望があれば、この目次を「①寓話」「②シンドバッド」「③アラジン」などジャンル別に整理した表形式にすることもできますが、そうなさいますか?


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とても鋭いご指摘です。

同じ「アラビアンナイト」でも、1706年初版(The Arabian Nights’ Entertainments)、平塚武二版(小学館・1965年)、サンリオ世界名作劇場などの児童向け再話では雰囲気が大きく異なります。違いの背景を整理すると次のようになります。


1. 原典の翻訳経路の違い


1706年版


ギャラン仏訳(1704–1717)を底本にした最初期英訳。


ギャランは宮廷や上流社会の読者を想定して、残虐・猥雑な要素を削り、会話や寓話をソフトに整えました。


そのため「寓話風」「恋愛譚」「奇譚」として柔らかい雰囲気が多いのです。



平塚武二版(小学館)


1960年代の日本児童文学シリーズの一冊。


子どもの「教訓性」を重視しつつも、道徳的対立を明確にするため、悪人・ずる賢い人物・暴力的な人物を強調しました。


勧善懲悪の色彩が強く、「極悪人」が際立つ傾向になっています。


2. 出版文化・対象読者の違い


18世紀ヨーロッパ:サロン文化に合わせ、残酷さを薄めてエキゾチックでロマンティックな「東洋趣味」に仕立てることが歓迎された。


1960年代日本の児童文学:戦後教育で「悪いことをすると罰を受ける」「正直者が救われる」という道徳教育を物語で示すのが重要と考えられていた。


サンリオの名作シリーズ(アニメや絵本)も同様に、子どもに理解しやすいよう善悪を二分法で描き、残酷性や性的ニュアンスをカットした代わりに「極悪キャラ」を置くことでわかりやすくした。


3. 再話(retelling)の性質


アラビアンナイトは本来「千夜一夜物語」という大きな物語集で、話者や写本によって内容が変わります。


ヨーロッパ初期訳では「東洋の不思議」を楽しむ寓話集として再話。


日本の児童書版では「悪人に懲らしめを」「庶民の知恵で勝つ」という勧善懲悪型にアレンジ。


サンリオやアニメ版では「極悪人 vs 純真な主人公」という構図を強め、視聴者に感情移入しやすくしました。


まとめ


1706年英語版 → 宮廷趣味・柔らかい、寓話調。


平塚武二版/サンリオ版 → 戦後児童教育的配慮、勧善懲悪化で「極悪人」が登場。


つまり、違いの核心は 「どの読者層に向けて、どんな目的で再話したか」 にあります。


ご希望でしたら、同じ一つの話(例:アリババ、アラジン、シンドバッド)を「1706年版」「平塚版」「サンリオ」ごとに並べて比較表にしてみますか?