👳『アラビアン=ナイト』(11)ハッサンの話 5. さかなから出た玉 6. 売れた、売れた PP160-164

アラビアン=ナイト

平塚武二 文

小学館, 1965

お話じょうずなシャーラザッド

PP149-169


(11)ハッサンの話


1. 運か、お金か

2. とんびに取られた

3. また、金貨20枚

4. 鉛のおもり

ーーーーーーーここまでは編集済


5. さかなから出た玉

6. 売れた、売れた


大まかなストーリーは漁師からもらった魚 からガラスみたいな球が出てきたけども それが結局 ダイヤモンドであったようで大金を手にしたっていうシンデレラストーリー。

そして ハッサン(麻縄屋の店主)は、大金持ちになったお礼に魚をもらった漁師にも、宝石屋に勤めている男にも金貨を1000枚ずつあげた。

近所の人たちにもその話をしてたっぷりお裾分けをした。

それから バグダッド 銃の縄作りの職人を集めると麻を買う元手を渡した。

ハッサンは

「麻縄がよくできたら、褒美の金を渡す」と言った。


バグダッド中の麻縄職人がハッサンのために縄を作り、その縄はバグダッド だけではなく イランの国の全体的に売れ、外国にまで広がって売れた。

”ハッサンの麻縄“は外国でも高名になった。

ハッサンは町の通りに大きな店を建て蔵もたくさん作り、“麻縄屋のハッサン”と人々に呼ばれる身分になった。

新しい 有名になったハッサンはそれに奢ることなく 自分も自ら仕事場に出てせっせと 縄を作った。

朝は商売人の鏡となり 商人たちは ハッサンのようになろうと一目おいた。そしてハッサンの商売はとても景気が良かった。


[質問]

ここまでのところで気になるところですけども


もらった魚のお腹の中にあったダイヤモンドの所有権は?

現在の日本の法律から見ると どうでしょうか。


この物語においては人からもらったものから 巨額な富を得て そこから商売が発展し、名声も得て みんなから尊敬されるようになったっていう サクセスストーリー?

ただ、最初に偶然の富があったことはアラビアン=ナイトらしい。

全体を通じてこのような運命的なラッキー、 アンラッキーがいつも出てくるのですがこれは当時の人にとってどういうものだったのでしょうか。


ASADA Misuzu


1. 魚から出てきたダイヤモンドの所有権(現代日本法的観点)


(1)魚を「贈与」と考えた場合


漁師がハッサンに魚をあげた時点で、魚という物の所有権はハッサンに移転しています(民法第549条以下:贈与)。


魚の一部である内臓や、そこに偶然含まれていたものも、原則として「魚に付随するもの」としてハッサンの所有になります。

→ この場合、ダイヤモンドはハッサンの所有物と扱われます。


(2)「隠れた宝物」としての扱い


民法第239条は「埋蔵物(発見者と土地所有者が半分ずつ所有権を取得する)」という規定を置いていますが、今回は「魚のお腹の中」ですので土地の問題ではありません。


「漂着物」「埋蔵物」ではなく、すでに受領した動産の中に偶然含まれていたものという解釈が妥当です。


(3)結論


現代日本法であれば、贈与を受けた魚の一部として偶然手にした宝石はハッサンのものと考えるのが通説的な処理です。


ただし、漁師に返す「道義的配慮」として分け与えるかどうかは別問題で、ここが物語の美徳・道徳の見せ場になっていますね。


2. 「アラビアン=ナイト」における偶然の富の意味


アラビアン=ナイトの物語では、しばしば以下のような「運命的ラッキー/アンラッキー」が繰り返し登場します:

突然の富や不運(宝物が見つかる/一瞬で失う)

予測不能な運命(悪夢のような事件や奇跡の救済)

人間の努力と運の交錯(偶然をどう活かすかで人柄が試される)


当時の人々にとっての意味


イスラーム世界の思想背景には「カダル(宿命)」の観念があり、人間の努力だけではどうにもならない運命の力を強く意識していました。

その一方で、「与えられた運をどう生かすか」「神が授けた幸運を他者とどう分かち合うか」が人間の徳と評価されました。

つまり、偶然の富は「試練」でもあり、「美徳を示す舞台」でもあったのです。

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3. 今回のエピソードの位置づけ

ダイヤモンドの発見=運命的な幸運。

それを漁師・宝石職人・近隣住民に惜しみなく分け与える=徳の実践。

さらにその資金を元に「縄ビジネス」を大発展させる=勤勉・努力・誠実さの象徴。

この流れが、「アラビアン=ナイト」らしい 運命と努力の交差するサクセスストーリーを形成しているといえます。

👉 まとめると:


現代日本法的には、ダイヤモンドは魚に付随していたためハッサンの所有権になる。

しかし物語では、それを分け与える「徳」によってハッサンが真に尊敬される人物となる。

偶然の富は単なるラッキーではなく、**人間の人格を映し出す「試金石」**として描かれているのです。


ご希望でしたら、この部分を「法学的観点」と「文化史的観点」で整理した比較表もお作りしますか?


🧑‍🏫 文書生成・解説:ChatGPT先生(OpenAI GPT-5


👩‍💼ありがとうございました。浅田美鈴   ASADA Misuzu


ChatGPT-4o先生画像生成